バージャー(氏)病とは
ビュルガー(氏)病ともいいます。原因不明の血管の炎症によって、上下肢などの血管が狭くなったり、つまってしまったりして、必要とする血液を送れなくなってしまう病気です。この病気になるのは、50歳以下で、男性が多く、喫煙がきわめて強い危険因子(病気にかかりやすくなる原因)とされています。最近は、患者数は減少してきています。どんなふうに診察するの?
あなたの困っている症状をおうかがいした後で、上下肢の状態について実際にみせていただき、さらにそれぞれの脈をみます。さらに両方の腕、脚の血圧を同時に計測する検査を受けていただいた後で、病気の状態、治療方針についてご説明します(診察の混み具合によって検査を先に受けていただく場合があります)。血圧の検査以外にする検査はあるの?
患者さんの状態によっては、血管がどこでどのように狭くなったりつまったりしているのかを見るために、下肢血管の超音波検査やCT(断層写真)の検査を受けていただく場合があります。超音波検査は診察を担当した医師がその日のうちに行うことができます。CT検査が必要な場合は、当院では検査の設備がありませんので、近隣の病院へご紹介して検査を受けていただきます。どういう治療をするの?
いちばんの危険因子である喫煙は、絶対に中止しなくてはなりません。禁煙は、治療を受けていただく上での大前提です。禁煙できない場合には、多くの場合、病状は確実に進行します(悪くなります)。禁煙がどうしてもできない場合には、禁煙治療を行っている医療機関への紹介をする場合もあります。その上で、比較的症状が軽い場合(冷え、しびれ、跛行など)は、飲み薬を服用していただきます。この場合は、外来で治療を受けることができます。
痛み、潰瘍などがある場合には、血管がどこでどのように狭くなったりつまったりしているのかをCTの検査で診断し、血流を再開させるための治療(カテーテル治療、バイパス手術)を行うことができるかどうか検討します。バイパスなどの治療の対象にならないと判断した場合には、注射薬による治療のみを行う場合もあります。
そうした治療にもかかわらず潰瘍、疼痛がおさまらない場合には、残念ながら、脚や指趾を切断しなくてはならない場合もあり得ます。この場合は、入院による検査、治療が必要となります。