褥瘡(じょくそう)とは?
身体の一部に、一定時間以上圧力がかかり続けることで、皮膚および皮下組織、筋肉などの組織の血流が悪くなって壊死を起こしてしまう状態のことを褥瘡(じょくそう)といいます。寝たきりの人に多く見られるため、床ずれ(とこずれ)ともいいます。
どうして褥瘡ができるの?
病気などが原因で、身体を動かしたり、寝返りを打ったりできない状態で、長時間仰向けや横向きに寝ている姿勢、あるいは車椅子などに座り続けていると、特に骨が突出して(出っ張って)いる場所で、寝具と骨との間にはさまれた体の組織(皮膚、皮下脂肪、筋肉など)の血の巡りが悪くなって壊死が起きてしまいます。一般的に、二時間以上同じ姿勢を続けるようなことがあるために、身体に一定以上の圧力が加わり続けると、褥瘡が発生する、といわれています。
どんな人がなるの?
健康な人の多くは、同じ姿勢を長く続けると、体の向きを変えたり、体重のかかっている部分を浮かせたりして、同じ場所に長時間体重がかからないようにすることができます。これに対して、高齢や様々な病気のために体の向きを変えることができない場合は褥瘡が発生しやすくなります。それに加えて、様々な理由で、栄養状態が悪かったり、むくみがひどかったり、ステロイドなどの薬を使用していたり、糖尿病などの病気がある場合は、褥瘡の発生する可能性が高くなってしまいます。
どんな場所にできるの?
どういう向きで寝た姿勢、座った姿勢を続けたかにもよりますが、例えば、仰向けの場合は、骨が突出している仙骨部、かかとなど、横向きの場合は、腸骨部、大腿骨転子部、くるぶしなどに多く見られ、座っている姿勢が長い場合には、坐骨部や背骨の部位に多く見られます。
どのように気をつければいいの?
褥瘡ができやすい状態の人がいた場合は、まず、同じ姿勢を長時間続けないようにすることが大切です。上述のように、2時間以上同じ姿勢を保つことがないように、体の向きをかえたり、骨が突出している場所に圧力がかからないように工夫する(免荷)ことが必要になってきます。詳しくは当院スタッフにお尋ねください。
どのように治療するの?
褥瘡の場所、程度によって、治療方法は様々です。当院の
創傷外来を受診してください。当院を受診された場合には、診察を行い、褥瘡の状態に応じた治療を選択します。程度によっては、切開など、手術的な治療が必要な場合もあります。